症状

さまざまな花粉の飛散期に、鼻汁、鼻閉、くしゃみ、鼻のかゆみ、目のかゆみなどが出現します。症状が強いと生活の質が低下し労働生産性の低下がみられます。

原因

いわゆる「花粉症」です。スギ花粉によるものが代表的ですが、他にもヒノキ、イネ科、秋の雑草など原因は多岐にわたります。

検査

鼻内内視鏡検査:鼻の粘膜を確認します。鼻粘膜が蒼白に腫脹し水様性の鼻汁が多くみられます。
鼻汁好酸球検査:鼻汁中に含まれている好酸球を調べます。
採血:血液検査で何に対してアレルギー反応がでているのかを確認します。

治療

診療ガイドラインに基づき重症度の判定を行い治療を決定します。
1. 服薬治療
抗ヒスタミン薬の服用と点鼻ステロイド噴霧薬が治療の中心となります。症状が強い方の場合は、鼻閉改善の内服薬(抗ロイコトリエン薬やプロスタグランジンD₂・トロンボキサンA₂受容体拮抗薬)や漢方薬を併用します。
★効果のある薬がわかっているのであれば診察時にぜひ教えてください。

2. 舌下免疫療法
アレルギーの原因物質(スギ抗原)を少量から投与し徐々に体を慣らしていく治療です。スギ花粉は適応がありますが、ヒノキ花粉、イネ科、秋の雑草には適応がありません。治療は花粉の非飛散期(6月以降)から開始し、通常3年から4年の治療期間が必要になります。

3. 生物学的製剤を用いた治療(ゾレア皮下注)
通常治療での効果が不十分な場合に適応がありますが全員できるものではありません。適応となるのは以下の条件を満たす必要があります。
①重症、最重症の季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)で前スギ花粉シーズンでも重症な症状がある
②スギ花粉のアレルギー検査の結果が陽性(スギ花粉抗原に対する血清特異的IgE抗体がclass3以上)
③季節性アレルギー性鼻炎の既存治療を1週間以上行い効果不十分であること
④12歳以上で、血清中総IgE濃度が30~1,500IU/mL、体重が20~150Kgの範囲にあること
【患者様の個々の病態で注射の摂取量が変わるため初診の方は当院では実施しておりません。治療を希望される場合は、前年度の内服薬の確認も必要となりますので、お薬手帳のご持参や服薬歴のわかるものをご持参ください。】